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アオイシロ-花影抄 3 (CR COMICS)
コミック版アオイシロもいよいよ
最終巻。
ゲーム版のグランドルートをベースにしつつも、終盤で
アカイイトメンバーも集結してのオリジナル展開を迎えます。
ゲームでは見れなかった最終日の寺の様子も見れたり、百子が珍しく塞ぎ込んでいたりと、その他の漫画版独自要素もいろいろ。
終盤の展開で
梢子が桂の血を飲む、というのはなるほど吸血という要素を活かして二作品を上手く繋げる面白いアイデア。
本編にもアカイイトメンバーを出して、こういうことやって欲しかったな。
まあゲームはゲームで独立してた方がいいって見方もありますので、難しいとこか。
終盤はなかなかダイナミックな展開を迎えたものの、最後の最後での”結末”部分(エピローグ)はこれだけ大掛かりにやった割に少々あっさり目。
伝奇モノとしては悪くないまとめ方かもしれないけど、百合作品ということも考慮するとちょっと無難にまとまり過ぎかなぁ。
正直百合度に関してはちょっと物足りなかった。最終巻だからこそ、最後はもっと盛り上げてくれるかと思ったんですけど。
桂の「葛を見るとすぐ抱き着くクセ(笑)」もなかったしなぁ~。アカイイトじゃないから?
尾花はやはり正史ルートだと生きてることになってるのだろうか?だとすると葛は正史だと狐化しない?それだと残念だなァ…。
そうそう、連載時の「かつら」はちゃんと修正されてました。やっぱ誤植だったのね(^^;
巻末の描き下ろしオマケ漫画は汀と烏月が共闘するエピソード。
鬼切り同士とはいえ、なんか珍しい組み合わせ…。
しかしどうせオマケ付けるなら梢子・ナミ・保美あたりをメインにした百合百合で甘々な話でもやって欲しかった(笑
絵柄は細かいところまでしっかり描かれていて綺麗な方だと思いますが、薄味で地味な印象は最後まで変わらず。一言で言えば淡白。
表情の変化が少々乏しく見えるせいだろうか?そのせいか感情表現もやや希薄に感じられて、見せ場のシーンでの迫力や感動に若干欠ける気がしないでもないです。
それと、なんかアクションシーンとなると細かい部分がどうなってるか分からないような、はしょった感じで描かれているのも、細部の描写を誤魔化してるように見えてしまうし…これも迫力や躍動感に欠けて見えてしまうな。
まあ悪いと言うほどでもないんですが、読んでて多少気になるかも。微妙なところですね。
そういう点はゲーム版の方が表現が豊かなんで、ゲーム版に利があるわけですが。
葛や桂がところどころはいてない風に描かれてたのは作者の趣味?(笑
ゲームのコミカライズって酷いのがホント多いけど、この作品は十分読むに耐えるだけのクオリティがあったのでひと安心。
色々書きましたけど作品自体は問題なく楽しめました。
何よりアカイイトメンバー総出での大団円ってのも豪華だし、シリーズファンとしては嬉しい演出でしたからね。
でもやっぱり百合表現が薄かった点だけはちょっとマイナスね(苦笑
とにかくこれでアオイシロも全工程終了ですか。お疲れ様でした。
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